キミの横を普通に通り抜けられる勇気をください・・・
〜 REUNION 〜
キミとサヨナラしたのはいつだったっけ?
ハッキリとは覚えてないんだ。すぐにでも忘れてしまいたかったから。
忘れられたかって?
今こうして考えちゃってるんだから、その辺は察してよ。
でも、自分の中で曖昧にはできたよ。かすめることはできた。
そうしなきゃ壊れそうだったからね。
きっと“自己防衛本能”みたいなのが働いたんじゃないかな?
だから、もう大丈夫って思ってたんだ。
ついさっきまでは。
それがどうだろうね?足がすくんでる現状っていうのは?
滑稽すぎて笑えないよ。
目が良すぎる自分をこれほどまでに呪ったことはないね。
昔は…まだキミと付き合ってた頃は…すぐキミを見つけられる目が嬉しかったけど。
今はこんなにも…てね。
遠くの方からキミが歩いてくる。
久しぶりに見たキミは大人っぽくなってて、知らない人みたいだ。
相変わらず人の目を惹く容姿は、横を通り過ぎる人達を振り向かせる。
少しの間見惚れていたオレは、忙しなく蠢く雑踏にぶつかった。
こんな町中で突っ立ってちゃ邪魔・・・ていうか目立つよな・・・。
それでも・・・すくんだ足は前に進むことはない。
その間、気づかれたくないような気づかれたいような、微妙な感覚がオレを支配する。
あと数メートルしかない、キミとの距離。
その数メートルがもどかしくて、おそろしくて・・・
あぁ・・・神様・・・・・・
もうアナタに頼るしかないみたいです・・・
いつもラッキーが起こった後に感謝するだけだけれど、今回だけは・・・
お願い神様・・・どうか・・・どうか・・・・・・
キミの横を普通に通り抜けられる勇気を・・・オレにください・・・・・・
〜fin〜
<独り言>
あるサイトさんで素敵な絵を見まして、そこからイメージが浮かんできて出来た小説です。
REUNIONは『再会』という意味です。
やっぱり途中までは浮かぶけど、最後の締めが浮かばない症候群なようです、私;
読んでくださった方、本当にありがとうございますです(涙)
<2003.9.14>
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